地元民族の食文化
米が主食。山地の住民は、玉蜀黍も兼ねて食べるが、玉蜀黍を主食とすることもある。
普通の民家は、「甑子」という専門的な道具で米をご飯に炊く。ミヤオ族とブイ族の人は、糯米が好きで、年中行事の日にも通過儀礼のような日にも必ず糯米を食べる。しかも、単調な食生活を改善・調整するのに不可欠なものとして、ずっと重要視している。
冷菜、「青苔凍肉」(山菜と冷凍肉の混ぜ物)、「拌豌豆涼粉」(豌豆と寒天の混ぜ物)は、ブイ族の人々の大好物。
酸菜(酸っぱい味の山菜)と酸湯(酸っぱい味のスープ)は、毎日の三食に不可欠なもの。特に女性の中に大人気。
他には、血豆腐、ソーセージ、および干した筍、新鮮な筍と各種の昆虫で作られた地元料理がある。ブイ族の殆どの人は、漬物、ベーコン、浜納豆を作るのが得意。地元特有の漬物――「塩酸」は、国内外においてもよく知られている。
肉料理の中で、犬の肉料理、犬肉のベーコンと牛肉のシャプシャプ料理が絶品。
来客を奢るための最高な料理は、「活血」と呼ばれるものである。通常の作り方として、まず、少量の塩を豚の血を載せた容器の中に入れておき、それから、豚の血を混ぜる。最後に、血が凝ってから、千切った葱、調味料、細かく切った肉を豚の血と共に煮て出来上がる。
また、お酒がブイ族の日常生活の中で非常に重要な位置を占めている。日常の酒を用意するために、毎年の秋収穫した後、人々は大量の米酒を醸造して保存する。お酒で来客を招待するのはブイ族の慣習で、客様さえ来れば、飲めるか否かを問わず、最初に必ずお酒を勧める。それが「迎賓酒」という。また、お酒を飲むとき、杯ではなく、茶碗を使って飲み、酒席に興を添える遊びや歌をするのが通常のやり方である。